『黄金寺院ダンブッラ』の名称でも知られるダンブッラ石窟寺院。
スリランカの8個ある世界遺産のうちの一角をしめ1991年に世界文化遺産に登録されました。
ダンブッラ石窟寺院はスリランカの1番の名所として知られるシギリヤロックから比較的近い位置にあります。
本日はダンブッラ石窟寺院について以下の点を中心にお伝えしていきたいと思います。
- 歴史
- 見所はどこなのか?
- 行き方
- おすすめの宿泊施設
ダンブッラ石窟寺院は2000年以上の歴史を有している
紀元前1世紀のタミル軍の侵略で首都アヌラーダプラを追われたワラガムバーフ王が修行僧の住居に身を隠したのが始まり。
のちにワラガムバーフ王が王位に返り咲いた時に石窟寺院が建立されました。
スリランカの文化三角地帯の中で22世紀もの間、仏教徒達の聖なる場所として崇拝されています。
その後もポロンナルワ時代とキャンディ時代と三つの時代にまたがる石像を確認することができます
関連:スリランカの歴史年表を徹底解説!背景を知ってスリランカ旅行を楽しもう。
尚、壁画についてはキャンディ時代に描かれたもののみが残っています。
3つの異なる時代の石像とキャンディ時代の壁画を見ることができる魅了のスポットです。
5つの岩窟毎の見どころを解説!
ダンブッラ石窟寺院には5つの石窟があります。
以下は山を20分登ったところで現れるダンブッラ石窟寺院の入口です。
右から順に第1窟、第2窟、第3窟、第4窟、第5窟の順で並んでいでます。
因みに以下の写真の岩を見てほしいでのですが、雨が窟内に流れ込まないように岩を切り出して細工を行なっています。
古代の技術しかないのに精巧で大変素晴らしいですね。
それぞれに見所が異なりますので順に紹介して行きたいと思います。
第1窟:デーワ・ワージャ・ヴィハーラ
第1窟のデーワ・ワージャ・ヴィハーラは日本語で『神様の王の寺院』です。
入り口に最も近い場所に位置しています。
第1窟はアヌラーダプラ時代の紀元前1世紀に最初に作られました。
入り口正面に岩を彫って造られた全長14mにのぼる涅槃像が横たわっています。
石窟自体は二番目に小さいため全身を写真に納めるのは困難です。
因みに他の石窟の石像は寝ているブッダの像を描いていますが、第1窟のブッダは亡くなった後の様子を像にしています。
亡くなったブッダを像にするときには主に三つの特徴があります。
一つ目は足が左右で大きさが違うこと。
二つ目は足の裏に蓮の葉が描かれていること。
三つ目は服装の縞模様が乱れていることです。
第2窟行こうの寝ているブッダ像との違いを見比べて見ると面白いでしょう。
第2窟:マハー・ラージャ・ヴィハーラ
偉大なる王の寺院という意味です。
偉大なる王とは最初に紹介した、石窟を作ったワラガムバーフ王のことをさします。
横約37mで奥行き23m、高さ7mという5つの寺院で最大の規模となっています。
内部には40の坐像と16の立像が並んでおり、最大の注目ポイントは天井のフレスコ画となっています。
ブッダの生涯や侵略者との戦いなど数々の物語が描かれています。
尚、先述の通り天井の壁画は全てキャンディ時代のものとなっています。
また第二窟以降は涅槃像が安置されています。
第2窟以降の寝釈迦像は足が揃っており、布も乱れておらず生存時のブッダの姿を表したものとなります。
因みに布のシワが平行線上にならんでいるのがアヌラーダプラ又はポロンナルワ時代のもので、ジグザグになっているのがキャンディー時代のものです。
以下からわかる通り、平行線上にならんでいるので第二窟の寝釈迦像はアヌラーダプラ又はポロンナルワ時代のものとなります。
また仏教寺院なのにヒンドゥー教の神であるビシュヌ神も祀られています。
ヒンドゥー教ではビシュヌ神は12個の姿に変化することができ、そのうちの1つがブッダであるという見方をする人もいます。
そのため、スリランカではヒンドゥー教兼仏教信者という方も少なからずいるそうです。
第3窟:マハー・アルト・ヴィハーラ
『大きな新しい寺院』という意の第三窟です。
特徴としては第3窟にのみ王様の像が建てられています。
18世紀のキャンディ王国時代にキルティ・スリ・ラジャシンハラ王によって作られた比較的新しい寺院です。
坐像と立像が合わせて約50の石像が並んでいます。
以下二つの像をご覧ください。
ほぼ同じ仏像に思えますが布の模様が違っています。
左は平行線上ですのでアヌラーダプラ又はポロンナルワ時代、右はジグザグなのでキャンディー王国時代のものとなります。
ただ頭上の王冠はキャンディー時代のもので左のアヌラーダプラ時代、ポロンナルワ時代に建立された坐像に付け加えられたものになります。
第4窟:パッツィーマ・ヴィハーラ
直訳すると『3人の王様の寺院』という意味です。
規模は小さいですが、入ると目の前に座禅を組んだ仏像が鎮座しています。
石像に囲まれた空間の中心に王が使っていたアクセサリーや宝石が入っていたと言われる仏塔がたったています。
ダーガバには泥棒が怖そうとしてできたヒビを修復したあとが残っています。
第5窟:デワナ・アルト・ヴィハーラ
この石窟は誰が作ったのかもはっきりしていません。
1915年に修復された最も新しい洞窟です。
天井画は塗り直されたもので非常に色が鮮やかになっています。
同じく中心に坐像が描かれています。
ブッダの周りを囲んでいる動物はドラゴンです。
我々日本人がイメージするドラゴンと大きく異なっていますね。
スリランカでは7個の動物が合わさった想像上の生き物をドラゴンと呼んでいます。
鼻:象
顔:クロコダイル
耳:豚
ヒゲ:孔雀
胴体:魚
目:蛇
足:ライオン
同じ単語でも国によって違うのが面白いですね。
ダンブッラ石窟寺院観光の注意点
ダンブッラ石窟寺院観光の際の注意点についてお伝えしていきたいと思います。
チケット購入場所
チケットは長い石段を登る前に販売されています。
石段を登ってチケットがなかったら、更に1往復しなければいけないので注意しましょう。
価格は1500スリランカルピーと他の文化遺産群に比べると3分の1から4分の1の価格ん抑えられています。
歩きやすい靴と飲み物を持参しましょう
山頂までは20分程度です。
しかし、寺院の入口までは階段と坂道が続くので体力を消耗してしまいます。
途中の土産物店では飲み物が買えないので注意です。
ダンブッラ石窟寺院の位置と行き方
それではダンブッラ石窟寺院の位置と行き方について見ていきましょう。
文化三角地帯の中心に位置
スリランカには北海道の80%程しかない国土に8個の世界遺産が存在しています。
特に、アヌラーダプラ、ポロンナルワ、キャンディを結ぶ文化三角地帯に5つの世界遺産が密集しています。
特に最も有名な観光名所となっているシギリヤロックとは20km以内と非常に近い場所に存在しています。
関連:スリランカの一番の観光名所『シギリヤ・ロック』完全ガイド!行き方・見所・ベストシーズンを含めて徹底解説。
行き方①:バスとタクシーを併用する
まずは公共交通機関を使って移動する方法です。
中核都市のコロンボからダンブッラまで直接電車でいくことは叶いません。
そのため、一度コロンボのFORT駅からキャンディまで電車で行く必要があります。
電車はスリランカ国営鉄道である『Srilanka railway』を使用します。
上記ページの『Train Schedule』をおし、出発をCOLOMBO FORTで到着駅をKANDYに設定します。
すると、以下の通り約1.5時間間隔で電車が出ていることがわかります。
事前に予約することは不可能ですので現地の窓口で購入することになります。
キャンディ駅についたらバスの西口にあるバス乗り場でダンブッラ行きのバスに乗り込むことになります。
価格は安いのですが時間が読めないのと、単純に乗り継ぎの時間ロスが発生するのが難点です。
あまりスリランカは公共交通機関が発展していないのが難点なのです。
行き方②:(おすすめ)タクシーチャーターを利用する
文化三角地帯に世界遺産は密集していますが、残念ながら公共交通機関は発達していません。
筆者は旅の時間ロスをできる限りさけて効率的に回りたいという思いと、
安全に且つ快適にスリランカを回りたいとの思いからタクシーチャーターサービスを全行程を通じて利用しました。
ホテルから観光名所、更に次の観光名所と専属ドライバーが貴方の旅程に付き添ってくれます。
時間がない中で見所が満載のスリランカ旅行ではタクシーチャーターが現実的な選択肢となります。
以下にて筆者がお世話になったスリランカタクシーサービスについてお伝えしていますので参考にしてみてください!
関連:【Sri Lanka Taxi Service】口コミで評判のチャーター業者『スリランカタクシーサービス』を実際利用した旅行者目線で徹底紐解く!
宿泊先ホテルはヘリタンスカンダラマが有力候補
宿泊先としておすすめなのはラグジュアリーホテルグループのヘリタンスグループが運営するヘリタンスカンダラマがおすすめです。
ヘリタンスカンダラマは自然との共生を目指す山奥のホテルです。
高級感ある内装は日本人を含めた外国人にも絶賛されています。
関連:自然に溶け込んだバワ建築のホテル『ヘリタンスカンダラマ』を実際に宿泊した体験談を踏まえて徹底解説!
ヘリタンスカンダラマは立地も最高でシギリヤロック、ポロンナルワ、ダンブッラ石窟寺院に隣接しています。
スリランカタクシーサービスを利用しながらヘリタンスカンダラマに宿泊することで、効率よく3つの世界遺産を回ることができます。
まとめ
ダンブッラ石窟寺は古代から中世のスリランカ仏教美術の粋を見るのに適した世界遺産です。
シギリヤロックに近いということもあり、是非立ち寄りたい名所と言えるでしょう。
効率的にスリランカをまわり旅行を有益なものにしましょう!