スリランカ観光のベストシーズンはいつ?地域と目的別に徹底解説!

歴史・名産・経済・気候

スリランカ観光のベストシーズンはいつ?地域と目的別に徹底解説!

初めてのスリランカ旅行、「いつ行くのが一番いい?」と悩む方も多いですよね。

実はスリランカは日本の四国ほどの小さな島国ながら、地域によって雨季・乾季が異なるユニークな気候を持っています。

つまり、「いつでもどこかがベストシーズン!」とも言えるほど、一年を通じて旅行を楽しめる国なのです。

 

本記事では、スリランカの気候パターンを エリア別旅行の目的別 に分けて詳しく解説します。

世界遺産巡りやアーユルヴェーダ、サファリ、サーフィンなどやりたいことに応じた最適な時期や、地域ごとの月別天候の違いを紹介します。

最後には情報をひと目で比較できる表も用意しました。カラフルな南国スリランカを思い切り楽しめる旅程 を一緒に考えていきましょう!

 

スリランカの気候とベストシーズン概要

スリランカの気候は赤道に近い熱帯性モンスーン気候です。

一年中平均気温は27~30℃程度と高く、沿岸部は蒸し暑く、中央高地はやや涼しい程度で四季の区別はありません

しかし、年間を通じて暑いものの日本のような四季ではなく、地域ごとに「乾季」と「雨季」が存在します。

この乾季・雨季を生み出すのが2つのモンスーン(季節風)です。

スリランカのモンスーン

2つのモンスーン

南西モンスーン(5月~9月頃):
インド洋側から南西部に吹き付け、この時期はスリランカ南西部で雨季となります。一方で北部・東部はこの時期が乾季に当たります。

北東モンスーン(10月~翌1月頃):
ベンガル湾側から北部・東部に吹き付け、北部~東海岸が雨季となります。反対に南西部はこの時期が乾季です。

 

要するに、スリランカは「南西部」と「北・東部」で雨季と乾季の時期が正反対になっています。

南西部(コロンボやゴールなど)の乾季=北・東部(トリンコマリーやジャフナなど)の雨季、そしてその逆です。

このため観光のベストシーズンもエリアによって異なるのです。

 

一般的には、南西部の乾季にあたる11月~4月頃が全体的なベストシーズンとよく言われます。

しかし、実際には7月~8月にも雨が少ない地域がある「ダブル乾季」のような状況で、夏(7~8月)も十分旅行に適しています

例えば、「ヨーロッパの夏休みに南西部は少し雨が増えるけど、代わりに東海岸がピーカン!」といった具合です。

 

📝豆知識: スリランカは一年で見ればどの月でも旅行可能ですが、一度の旅行で全エリアのベストシーズンに当てはめるのは難しいです。そのため優先順位を決めて、旅の目的に合った地域・ルートを選ぶことが満足度の高い旅程のコツです。

 

では具体的に、地域ごとの気候とベストシーズンを見ていきましょう。

スリランカを大きく(1)南西部沿岸エリア、(2)北部・東部エリア、(3)中央高原エリアの3つに分けて解説します。

 

スリランカのエリア別ベストシーズン

それぞれの地域で雨の降り方が違うため、観光に適したベストシーズン(乾季)と、雨が多いオフシーズン(雨季)が異なります。以

下ではエリアごとに特徴とおすすめ時期、注意点を紹介します。

 

南西部沿岸エリア(コロンボ・ゴール・南部海岸など)

スリランカの南西部

主な都市・観光地

コロンボ(最大都市)
ネゴンボ
ゴール(世界遺産の要塞都市)
ヒッカドゥワ
ベントタ
ミリッサ
ヤーラ国立公園(南東部だがアクセスは南海岸から)など。

 

南西部エリアはリゾートや観光の中心地です。コロンボの都会観光からゴール旧市街の街歩き、美しいビーチリゾートでの海水浴やマリンスポーツ(ヒッカドゥワでのシュノーケリング等)、ミリッサ発のホエールウォッチング、さらにヤーラ国立公園でのサファリまで、盛りだくさんのエリアです。一年を通じて欧米からの避寒リゾート客も多く、観光インフラも整っています。

 

ベストシーズン(乾季)

南西部は11月末~3月頃が乾季で晴天率が高く観光に最適です。特に12月~2月は極端な暑さにならず過ごしやすい夏日程度の気候で、海も穏やかになるためビーチやダイビングにも◎です。この時期はヨーロッパの冬休みと重なるためリゾート地は賑わい、ホテルも早めの予約が安心でしょう。ミリッサ発のホエールウォッチング(シロナガスクジラ)も12月~3月頃がシーズンで、高確率でクジラに出会えます。

穴場シーズン

5月~10月は南西モンスーンの雨季ですが、旅行自体は可能です。特に7月~8月は雨量がピークの5~6月より減って「意外と晴れる日も多い」時期です。夕方~夜間にスコールが集中して日中は降らない日もあり、真っ昼間に一日中土砂降り…という日はさほど多くありません。この時期は日本の夏休みやシルバーウィークに当たりますが欧米人観光客は少なめなので、有名レストランやホテルも予約が取りやすいというメリットがあります。航空券や宿泊費もローシーズン価格になることが多く、雨季を狙ってお得に贅沢旅をするのもアリです。

注意したい時期

4月は南西部で一年で最も暑い時期です。気温が連日30℃を超える猛暑日となり、現地の人でも昼間は出歩きたがらないほど。観光で歩き回るなら朝夕の涼しい時間帯に絞り、日中は無理せずホテルで休憩やプールに避難するくらいが良いでしょう。また10月中旬~11月中旬はちょうどモンスーンの切り替わりで天候が不安定になりがちです。突然の雷雨に見舞われることもあるので、この時期に南西部を訪れる場合は雨具の用意と、予備日程の確保をお忘れなく。

 

🐘 豆知識: ヤーラ国立公園(南東部)へのサファリは南西部からアクセスします。このヤーラは9月前後に1ヶ月ほど閉園期間を設ける年があります。動物の繁殖保護や環境保全のためで、ちょうど雨が多い時期に閉まるため旅行影響は少ないですが、念のため最新情報の確認をおすすめします。

 

北部・東部エリア(ジャフナ・トリンコマリー・東海岸など)

スリランカの北部東部エリア

主な都市・観光地

ジャフナ(北端の街)
トリンコマリー(東海岸の港町)
ニラヴェリ
バティカロア
アルガンベイ(東部の有名サーフスポット)
ポロンナルワ・アヌラーダプラ(北中部の古都遺跡※気候帯は本エリアと同じ乾燥地帯)など。

 

北部および東海岸一帯は、いわゆるスリランカの「ドライゾーン(乾燥地帯)」に当たります。年間降雨量が少なく、灌漑用の大きな貯水池(タンク)が多数ある地域です。文化的には北部ジャフナはタミル系の文化圏で、南部とは雰囲気も異なり興味深いエリアです。

東海岸は手つかずのサンゴ礁が残る隠れたビーチ天国で、シュノーケリングやダイビング、サーフィンの世界大会が開かれるアルガンベイなど、近年注目度が上がっています。

 

ベストシーズン(乾季)

北~東部は5月頃から雨が減り始め、6月~9月が乾季のピークです。特に7月~8月は快晴が続き、海も穏やかで東海岸のマリンスポーツに最適です。この時期、アルガンベイでは世界的なサーフィン大会も開催され、世界中のサーファーが集まります。またトリンコマリー発のホエールウォッチング(イルカやクジラ)も3月~8月頃に運航しており、7~8月は夏休みシーズンで人気です。北中部の遺跡観光も雨に邪魔されずまわりやすい時期になります(※詳しくは後述「世界遺産巡り」の項で解説)。

穴場シーズン

北・東部は乾季の期間が長いため、実質ベストシーズンが半年以上続く観光しやすいエリアです。ただし雨季に入る直前の9月も、北東モンスーン開始前で比較的天気が安定しており観光可能です(南西部の雨がちょうど収まる頃で全土で比較的旅行しやすい時期でもあります)。一方、北部ジャフナは地理的にモンスーンの影響が少ない特殊なエリアで、極端な雨季・乾季の差が小さいと言われます。雨季でも短期間で雨が終わるため、ジャフナ観光は年間を通じて大きな制約なく楽しめるでしょう。実際ジャフナでは「1年で雨が多いのは11~12月くらいで、他の月はほぼ乾いている」という声もあるほどです(※筆者現地取材より)。

注意したい時期

11月~1月は北・東部が雨季真っ只中となります。特に11月~12月前半は北東モンスーンにより激しいスコールが頻発し、洪水になる年もあるので注意が必要です。沿岸部は海が荒れ、12月~2月は東海岸での海水浴やサーフィンは危険なので控えましょう。また4月は北・東部では最も暑い時期です。ジャフナでは気温40℃近くまで上がる日もあり、強烈な日差しで肌が痛いほど。屋外観光は朝夕に限定し、日中は冷房の効いた屋内で過ごすなど熱中症対策が必要です。さらに7~8月頃、ジャフナのヒンドゥー寺院(ナルル・カンダスワミ寺院)で大祭が開催され、多くの巡礼者や地元帰省客で街全体が混雑します。この時期に重なる場合、宿の手配は早めに、移動も時間に余裕を持って計画しましょう。

 

中央高原エリア(キャンディ・ヌワラエリヤ・高地リゾート)

中央高地

主な都市・観光地

キャンディ(仏教の聖地・古都)
ヌワラエリヤ(紅茶の名産地、高原避暑地)
エラ
ハプタレー
ホートンプレインズ国立公園
スリーパーダ(アダムスピーク)
シンハラジャ森林保護区(熱帯雨林の世界遺産)など。

 

中央高原エリアはスリランカ中央部の山岳地帯で、標高が高く気温が低めです(平均気温は約16℃で、日本の春のような気候)。

「紅茶の都」ヌワラエリヤや雄大な景色で人気のエラ、世界遺産のホートン・プレインズ(世界の果て)聖地スリーパーダ(Adam’s Peak)など自然豊かな観光地が点在します。キャンディでは仏歯寺(世界遺産)やペラヘラ祭など文化的見所も豊富です。

 

ベストシーズン(乾季)

中央高地は12月~3月が比較的雨が少ない乾季に当たります。特に1月~3月は降雨量が一年で最も少なく、トレッキングや高原列車の旅も快適です。雨が降っても短時間のスコールで止むことが多く、山々の景色も楽しみやすいでしょう。キャンディもこの時期は晴れの日が多く過ごしやすいです。また夜明け前のアダムスピーク登山(聖山巡礼)は12月~3月頃がベストです。天候が安定し星空の下で登頂しやすいだけでなく、雨季に大量発生するヒル(吸血ヒル)もこの時期は少ないため安心です。

穴場シーズン

5月~7月も実は狙い目です。この期間は南西モンスーン期ですが、同じ雨季でもピークの5~6月を過ぎると7月頃から雨量が減り始めます。欧米からの旅行客も少なくなるため、高原鉄道の切符(座席指定)や人気ホテルの予約が取りやすいメリットがあります。実際、7月は夏休みシーズンながらキャンディやエラの観光客はそこまで多くなく、「静かな新緑の高原」をゆったり楽しめる穴場タイミングです。特に紅茶畑が青々と茂る雨上がりの景色はこの時期ならでは。雨さえ小ぶりになれば絶景に出会えるチャンスとも言えるでしょう。

注意したい時期

6月前後は台風や熱帯低気圧が発生しやすく、高原の天気も荒れがちです。ヌワラエリヤやホートンプレインズでは急な雷雨・霧に見舞われ視界が真っ白…なんて日もあります。登山やトレッキングは十分注意しましょう。また7月~8月はキャンディでペラヘラ祭(仏歯寺のお祭り)が開催される時期で、国内外から観光客が押し寄せます。市内のホテルが満室になるため祭り目的でないなら時期をずらす方が無難です。11月~12月は高地では夜間の冷え込みが強くなり、気温10℃前後まで下がる日もあります。日本の初冬並みの寒さなので、防寒着をお忘れなく(暖房設備がないホテルも多いです)。逆に日中との寒暖差が大きいので、体調管理に気を付けましょう。なお雨季(特に10~11月)の森林トレッキングはヒルが活発になるので、長袖長ズボン+靴下インで肌の露出を避けるのが鉄則です。

 

以上、地域ごとの特徴を見てきました。次章では、旅行の目的(興味)別に「この体験ならこの季節がベスト!」という視点でベストシーズンをまとめます。

世界遺産にビーチ、動物、癒し…あなたの優先テーマに合わせてチェックしてみてください。

 

目的別:アーユルヴェーダ・サーフィン・世界遺産・サファリのベストシーズン

ここではスリランカ旅行で人気のテーマごとに、最適なシーズンや注意点を紹介します。

せっかくならやりたい体験を最高のコンディションで楽しみたいですよね。目的別にベストタイミングを押さえておきましょう。

 

アーユルヴェーダ体験におすすめの季節

アーユルヴェーダ

 

スリランカは本場のアーユルヴェーダを体験できる癒しの旅先として有名です。スパやリゾートで本格的な施術を受けてみたい方も多いでしょう。

実は伝統的にアーユルヴェーダの施術に最適とされるのは雨季だというのをご存知ですか?

 

古来インドやスリランカでは、雨季(サンスクリットで「ヴァルシャ・リトゥ」)は体内浄化に適した季節とされています。

湿度が高く涼しいため毛穴が開きやすく、オイルや薬草の有効成分が体に浸透しやすいのです。

しとしと降る雨音も心を落ち着かせ、デトックス効果が高まるとも言われます。

 

そのためスリランカの多くのアーユルヴェーダ施設では、雨季限定の特別プログラムを用意しているほど。

さらに雨季は観光的にはオフシーズンなので、費用が割安になる施設が多いのも嬉しいポイントです。

日本人スタッフの現地ブログでも「雨季は空いていて安いから実は狙い目」とおすすめする声が見られます。

 

一方、乾季(特に12~2月)は気候的に快適で過ごしやすく、観光と両立しやすい時期です。各地でお祭りも多くリゾート気分も満喫できます。

ただしピークシーズンでもあるので、人気のアーユルヴェーダリゾートは満室になりやすく早めの予約が必須です。

施術と観光をバランス良く楽しみたい場合は乾季に訪れて、ビーチ沿いのホテルで合間にマッサージを受けるスタイルでも十分リフレッシュできます。

 

心身をじっくり整える本格アーユルヴェーダ」が目的なら伝統に倣って雨季(6~9月頃)に長めに滞在するのがおすすめです。

一方「観光もリゾートも欲張りたい」なら乾季の快適な時期に訪れてみましょう。

いずれにせよ施術後は体力を使うので、旅行中はあまり詰め込みすぎずゆったり過ごす時間を確保してくださいね。

 

サーフィンに最適なシーズン

サーフィン

 

「サーフィン天国」はハワイやバリだけじゃありません!実はスリランカも年中サーフィンが楽しめる知る人ぞ知るスポットです。

島自体が小さいため、モンスーンの影響で波の良いエリアが季節によって入れ替わるのです。

初心者から上級者までレベルに合ったブレイクがあるので、サーファーには堪らないですね。

 

南西部(ヒッカドゥワ、ウェリガマ、ミリッサ等)

ベストシーズンは10月~4月ごろ、特に12月~3月がベストコンディションです。北東モンスーンの時期に当たり、西~南海岸には陸風(オフショア)が吹くため波が綺麗に整います。ヒッカドゥワのリーフブレイクやウェリガマのビーチブレイクにはこの時期、世界中からサーファーが集結します。有名ポイントは上級者向けから初心者向けまで揃っており、サーフィンスクールも充実しています。海水温は年間を通して約28℃前後と高く、ラッシュガード1枚で入れる暖かさなのも魅力です。

東海岸(アルガンベイ周辺)

ベストシーズンは5月~10月頃で、6~8月にかけては世界でも指折りのロングライトの波がブレイクします。南西モンスーンの風がアルガンベイ側ではオフショアになるため、この季節に「奇跡の波」が現れるのです。アルガンベイのメインポイントは上級者向けですが、近くのピーナッツファームやイージー・ベイといったポイントは初心者でも挑戦可能で、サーフィンスクールもあるので安心です。シーズン中は国際大会やフェスも開催され町全体がサーフムード一色に。海も乾季で透明度が高く、波待ちしているとイルカが顔を出すなんて光景もあります。東海岸のサーフシーンは「混雑していないバリ島」といった雰囲気で、素朴な漁村の空気感も魅力ですよ。

 

このようにスリランカは「冬は南西部、夏は東部」で一年中サーフィン可能です。

雨季に当たるエリアでも全く波が立たないわけではないですが、やはりオフシーズンは風向きや荒天で質が落ちます。

 

せっかく行くなら各エリアのベストシーズンを狙って波乗り三昧と行きましょう!

現地では板のレンタルも容易なので手ぶらでOK。南国の海で波に乗った後はビーチでヤシの実を飲みながらチル…なんて最高ですね。

 

世界遺産巡りにおすすめの時期

スリランカの世界遺産の分布

 

スリランカには文化・自然あわせて8つのユネスコ世界遺産があります。

仏教古代王朝の遺跡群から植民地時代の街並み、神秘的な原生林までバラエティ豊かで、「世界遺産の島」とも呼ばれます。

世界遺産巡りのベストシーズンは、その場所の気候帯によって異なる点に注意が必要です。主な世界遺産ごとにおすすめ時期を整理してみましょう。

 

北中部の古都遺跡(アヌラーダプラ、ポロンナルワ、シーギリヤなど):
これら乾燥地域の遺跡群は乾季にあたる6~9月が観光しやすくおすすめです。雨が少なく遺跡の足元もぬかるまず快適に散策できます。それに加えて7~8月には近隣のミンネリヤ国立公園で野生象が大集合する「エレファント・ギャザリング」の時期でもあり、遺跡観光とセットで楽しめる特典もあります。一方11~12月の雨季は遺跡周辺がぬかるみ、蚊などの虫も増えるため避けた方が無難でしょう。ただし北中部は乾季の夏場は日差しが非常に強烈で気温も高いです。遺跡の頂上(シーギリヤロックなど)に登るのは朝夕の涼しい時間帯にし、昼間は休憩するなど熱中症対策は必須です(乾季でも4月や9月の真昼は酷暑になるので要注意)。なお12~3月も気温が若干下がり観光しやすい時期ですが、11~12月頃にかけては北東モンスーンの影響で雷雨の日がある点に注意しましょう。


仏教寺院・聖地(キャンディ、ダンブッラ石窟寺院など):

キャンディの仏歯寺は先述のとおり12~3月が雨も少なくベストシーズンです。毎年7~8月のペラヘラ祭の時期は雨季にもかかわらず世界中から巡礼・観光客が押し寄せ街が大混雑します。そのため祭り目的でないなら敢えて外す方が無難でしょう。ダンブッラの石窟寺院(こちらも北中部の乾燥地帯)は乾季である夏~初秋(6~10月頃)が適しています。雨季だと石段が滑りやすく危険なので避けましょう。

植民地時代の建築(ゴール旧市街、コロンボ旧市街など):
ゴール要塞のある旧市街(南部海岸)は11~3月の乾季が街歩きに最適です。雨季のゴールも風情がありますが、突然のスコールに備えて常に雨具を携行する必要があります。コロンボのコロニアル建築群巡りも同様に乾季(特に12~3月頃)が快適でしょう。

自然遺産の森・高地(シンハラジャ森林保護区、中央高地のピーク・ウィルダネスなど):
シンハラジャ森林(南西部の熱帯雨林)は 1~3月頃が比較的雨が少なくトレッキングしやすいです。もっとも元々雨の多い原生林なので多少の雨は織り込み済みで、レインコートや防水の靴で臨みましょう。中央高地のピーク・ウィルダネス(スリーパーダ聖域など)も 12~3月が登山適期です。4~11月は大雨に加え大量のヒル(小さな吸血ヒル)が発生するため、薄手の長袖長ズボン・スパッツ着用で完全防備が必要になります。

 

→ スリランカの8個の世界遺産を徹底解説!必見の観光名所を一挙に紹介する。

 

サファリ(野生動物観察)にベストな時期

サファリを楽しむ日本人

 

スリランカには20以上の国立公園があり、ゾウやヒョウ、クジャクからクジラに至るまで様々な野生動物に出会えるのが醍醐味です。では動物たちに会うにはいつ行くのが良いのでしょうか?

結論から言うと、陸上動物のサファリは各公園の乾季がベストです。雨季だと水があちこちにあるため動物が分散しますが、乾季には水場が限られるので動物が集まり観察しやすくなるためです。例えばヤーラ国立公園(南東部)の場合、2~3月頃の乾燥した時期は水飲み場に動物が集まりヒョウやゾウを見つけやすいことで知られます。逆に雨季にはジャングルが生い茂り視界も悪くなるため、可能であれば避けた方が無難です。

 

一方、ミンネリヤ国立公園(北中部)では7~9月にかけて100頭以上の野生ゾウが湖畔に集結する壮観なイベントが起こります。これが有名なエレファント・ギャザリング(象の大集合)です。乾季で周囲の水場が干上がることでミンネリヤ湖にゾウが集まる現象で、世界中の野生動物ファンが訪れるほど迫力満点です。7~8月に文化三角地帯(シーギリヤ等)を訪れるなら、ぜひこの象サファリもセットで検討してみてください。

クジラやイルカのウォッチングについては、季節が海域によって異なります。南部沖(ミリッサ発)のホエールウォッチングは12月~4月がシーズンで、特に1~3月は高確率でシロナガスクジラに出会えます。一方、東部トリンコマリー発は3月~9月がシーズンで、ベストは3~4月および7~8月頃と言われます。ちょうど南北でオフシーズンが補完関係になっているわけですね。

 

🌟 豆知識:雨季明け直後が狙い目」というユニークな視点もあります。例えば10月頃は雨期直後で草木が生い茂り、動物たちが活発になるためサファリには最適な時期だとするガイドもいます。実際、雨上がりの森は新芽が出て動物も生気づくので、観察が楽しい側面も。さらに10月後半からミリッサではホエールウォッチングのツアーも始まります。天気が安定しないリスクはありますが、「雨上がり直後の生命力みなぎる瞬間」を狙って訪れるのも通な楽しみ方かもしれません。

 

なおサファリ関連でもう一点注意。国立公園によっては年に一度クローズ期間を設ける場合があります(先述ヤーラなど)。

目的の公園がある場合は事前に公式情報をチェックしておきましょう。また野生動物相手なので「必ず見られる」保証はありませんが、腕の良いレンジャーや朝一番のサファリに参加するなど工夫すると遭遇率が上がります。ぜひベストシーズンを狙って、スリル満点の野生動物との出会いを楽しんでください!

 

スリランカ季節別・地域別の気候早見表

最後に、スリランカの主要エリアごとの季節ごとの天候を一覧表にまとめました。

それぞれの地域でいつ乾季になるか一目で分かるので、旅行時期検討の参考にしてください。

 

季節(期間) 南・西部沿岸(例:コロンボ) 北部・東部(例:トリンコマリー) 中央高原(例:ヌワラエリヤ)
12月~3月頃
北東モンスーン期
乾季(ベスト)雨が少なく快晴多め。気温は30℃前後で過ごしやすい暑さ。海も穏やかでビーチ日和。★1~2月特におすすめ 雨季(オフ)北東モンスーン本番。特に11~12月は豪雨の日も。ジャフナは雨季短めで降雨少なめ。 乾季(ベスト)爽やかな晴天が多い。日中20~25℃前後、朝晩は15℃前後まで冷え込み肌寒い日も。
4月頃
季節の変わり目・暑季
暑季(注意)一年で最も暑い。連日30℃超えで蒸し暑い。夕立程度の雨はあるが基本カンカン照り。日中の屋外活動は控えめに。 雨季の終わり徐々に降雨が減少するが、局地的な雷雨もあり不安定。気温は高く蒸し暑い。 雨季の始まり午後の雷雨が増え出す。不安定な天気に。4月中旬にはキャンディで新年(シンハラ・タミル正月)を祝う祭りがあり街が賑やか。
5月~8月頃
南西モンスーン期
雨季(オフ)南西モンスーン本番。5~6月は豪雨多発。7~8月は雨量やや減り、短時間のスコール中心。欧米客少なく観光地空いている。 乾季(ベスト)快晴が続き暑いがカラッとした天気。平均気温30℃前後。海の透明度高く東海岸でマリンスポーツ◎。★7~8月アルガンベイで国際サーフィン大会 雨季(オフ)5~7月は雨が多く霧の日も。森が生い茂り緑が濃くなる。エラ周辺は雨の合間に絶景が望めることも。キャンディは断続的な小雨程度で観光可能。
9月~11月頃
南西モンスーン明け

北東モンスーン開始
乾季へ移行9月は南西部の雨が収まり天候回復。10月は短い中間期で夕立が増加。11月後半から本格的に晴天安定してくる。 雨季へ移行9月までは乾季の名残で観光◎。10月中旬以降雨が増え、11月には雨季が本格化し雷雨も頻繁。 雨季(後半)10~11月は雷雨が多く不安定。ペラヘラ祭(通常8月)終了後は観光客も減り静かな高原に戻る。11月は気温がさらに下がり厚手の上着必須。

※上の表は一般的な傾向です。同じ地域でも年によって天候は変動しますので、最新の天気予報や現地情報も必ずチェックしてくださいね。

 

まとめ

スリランカは「いつでもどこかがベストシーズン」という懐の深い国です。

乾季に絞って計画すれば晴天続きの快適旅が楽しめますし、雨季をあえて選んで静かなオフシーズンの魅力を味わうのも通な楽しみ方でしょう。

ぜひ本記事の情報を参考に、ご自身の旅の優先テーマに合ったベストな時期・エリアを見つけてみてください。

 

南国の太陽の下、黄金色に輝くビーチやエメラルドの紅茶畑、荘厳な仏塔やジャングルの野生動物たちが、訪れるあなたを待っています。

スリランカの大地が織りなす多彩な表情を満喫して、最高の思い出を作ってきてくださいね。良い旅を! 🐘🏄🗿☕️

スリランカ旅行を実りあるものとするために!

筆者は40カ国以上の国を大学時代から社会人にかけて歴訪しています。

欧米のような先進国や東南アジアや中国等では公共交通機関も発達しており、尚且つ英語も通じるのでバックパックをしてきました。

 

しかし、スリランカは依然として公共交通機関が発達しておらずタクシーをチャーターして巡るのが最も有力な選択肢となります。

スリランカは国土の中に多くの世界遺産を抱えておりタクシーをチャーターすることで効率的に名所を巡ることができるのも魅力的なポイントです。

スリランカ現地でのツアーを安価に快適に行うタクシーチャーターの有効性を徹底検証!

筆者はスリランカタクシーサービスを利用してスリランカを効率的に巡っていきました。

スリランカタクシーサービスを使った旅行記

スリランカタクシーサービス

スリランカタクシーサービスは以下の点で非常に魅力的で筆者としてもおすすめできます。

  • 元総合商社マンによる出発までの手厚いサポート体制
  • 大手旅行会社に比して安価な価格体系
  • ガイドの資格を持ったドライバーによる詳細な観光地の説明
  • 多くの利用実績によって担保されている安心感
  • 日本語サポートデスクによる現地トラブルでの対応

スリランカタクシーサービスについては以下で詳しくお伝えしていますのでご覧いただければと思います。

 

詳しくはコチラ

 

-歴史・名産・経済・気候